※音楽の割愛等はございません。
作・演出:小池 修一郎/作曲:フランク・ワイルドホーン
主な出演者(公演プログラム記載順)
真風涼帆・潤花・芹香斗亜・桜木みなと・瑠風輝・寿つかさ・松風輝
(専科)夏美よう
ライブCD/TCAC-649~650/宙組/宝塚大劇場
収録日:2022年3月14日/収録時間:Disc1-78分・Disc2-74分
発売元:株式会社宝塚クリエイティブアーツ
※価格はすべて税込み表示です。
□Story□
1936年、ハリウッド。セレブ達が集まるクラブ、ココナツ・グルーヴでは、新作映画「スペインの嵐」 の制作発表パーティーが開かれていた。カルメンを演じるエレン・パーカーや、エスカミリオを演じる 現役闘牛士ヴィセント・ロメロらの紹介が行われている最中、突然原作者のキャサリン・マクレガーが 激しい剣幕で飛び込んでくる。映画の脚本が自分の書いたものとはかけ離れたものになっていると抗議 に来たのだ。会場が大騒ぎとなる中、突然フラッシュが焚かれ、一人の男が現れる。パリの風俗を撮影 した写真集で一世を風靡したカメラマン、ジョルジュ・マルローだった。 激高した表情を撮られたキャサリンは気分を害し、撮影したフィルムを渡すよう詰め寄るが、ジョルジ ュは拒否する。キャサリンは、フィルムを貰うまでサヨナラは言わないと言い放ち、その場を後にする のだった。
その夜、ジョルジュの居所を突き止めたキャサリンは、彼が借りているアトリエ兼住居を訪ねる。そこ でキャサリンはジョルジュが撮り溜めていた写真を目にし、彼に興味を持ち始める。ジョルジュは、ポ ーランドの貧しい街で生まれ、広い世界を見たくて家を飛び出したデラシネ(根無し草)であり、いつか 人生の真実を映し出す写真を撮りたいと思い写真家になったのだ。自分の見たことのない世界を実際に 目にしてきたジョルジュに尊敬の念を抱くようになるキャサリン。 ファシストへの批判を込めて書いた「スペインの嵐」を、アメリカ人的な見方でしかないと指摘された キャサリンは、自分なりに見識を広げ、人生の真実を見付けようとしていると話す。ジョルジュもまた、 真っ直ぐな強い意志を持ったキャサリンに惹かれるのだった。
「スペインの嵐」は現地でのロケ撮影が予定されていたが、スペイン共和国は選挙により社会主義とな ったばかりで情勢が落ち着かない状況だった。そこで映画スタッフやエレン達は下見に行くことにし、 ジョルジュも正式な特派員としてビザを取得して同行する。折しもバルセロナでは、ナチスによるベル リン・オリンピックに対抗したオリンピアーダ・ポピュラール(人民オリンピック)が開催されることに なっており、一行は開会式のリハーサルを見学する。そこでジョルジュはキャサリンと再会する。キャ サリンはソビエト連邦から招待を受けた作家仲間と共にモスクワへ向かう道中、スペインの新しい共和 国を取材に来ていたのだ。思わぬ再会に心を躍らせるジョルジュとキャサリン。しかし突如、オリンピ アーダの中止を余儀なくさせる事件が起こる。スペイン領モロッコでナチス・ドイツとイタリアを後ろ 盾とするフランコ将軍が挙兵し、各地で国軍のクーデターが起きたのだ。統一社会党幹部のフランシス コ・アギラールは、バルセロナをファシストの手から守ろうと市民たちを煽動する。歴史を変える事件 のただ中にいることを実感したジョルジュは、このままスペインに残ることを決めるのだった。
人生の真実の瞬間を捉えたいと、カメラを手に世界中を旅してきたジョルジュ。デラシネであった彼が、 スペインの地で見出したものとは・・・。
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